わたしのせいなのかもしれない②
やっと
15年が経ってやっと
諦めがついたというか
私は私の人生を歩まなければいけないと
その人が生きられなかった人生の分まで
地に足をつけて歩もうと
思い始める事ができるようになった
今までの15年間はヤバかった
とても軽々しく人に言えるような事をしていなかった
その時私も死んだのかもしれない
自暴自棄という言葉で片付けてはいけないほどひどい事をしてた
それにはふたつ理由があった
そのひとつが逆恨み
中学のとき
私にはもったいないくらいの明るくて元気な友達ができた
3つの小学校が1つの中学で一緒になり、私は田舎の小学校
その女の子は都会の小学校
部活が同じ美術部で、なぜか仲良くしてくれた
私が好きな男の子の名前を教えると、応援すると言ってくれた
まさかその男の子と結婚するとは思いもよらなかった
男の子は高校でついていけなかったのか
中退したらしいと風の噂で聞いた
そのあと成人式まで何も知らず
そこで初めて中学で仲良くしてくれた子と結婚していたことがわかった
男の子は成人式に来ることもなく、仲の良かった子も来なかったと思う
子供がいることは周りから聞いた
若くから結婚して子供もいて
私なんて会社に入ってまだ社会人1年目でバタバタしてて
裏切られた
このひとことにつきる
なんの権利もなく
ただ5、6年前に応援すると言ってくれた子だったのに
人間が信じられなくなるくらい恨んでしまった
これが逆恨みだ
ほんとにほんとにただの頭の変なやつだ
何もせずただストーカーっぽいことをしてたやつが
恨む権利なんて1ミリもない
ましてや高校中退で苦労しただろうその人を支えてくれたのだと
感謝しなくてはいけなかった
でもその時は無理だった
女の人を信じられなくなった
友達なんていらないと思った
いつか裏切るのだから
そして今も友達はいない
いや
もともと友達ができない人間なのかもしれない
自分の役にたたない人と判断し
切り捨てていたのだ
そんなやつに友達なんでできるはずがない
ましてや仲良くしてくれた子は誰にでも好かれるような子
全く違う性格なのだから
私なんて選ばれるはずがない
私は私の人生を歩もうと24歳で結婚した
子供も二人産み
二人目が幼稚園に入って運動会の帰り
運命の日が来た
会ってしまったのだ
あの人に
いや
厳密に言うと見てしまった
秋頃、上の子と一緒に、下の子の運動会の終わったあと魚屋さんに行って買い物をしていた
仕事も忙しくて、子供との買い物もなかなかいけないので嬉しくて
上の子とあれも買う?あれも買う?と商品に目を奪われていた
せまいお店なのに美味しくて人気があるので、他にもお客さんが二人いた
会計を待っている時、先に会計を済ませた男の人が外からこちらを一瞬見て
目と目が合いました
あの人でした
一瞬で目しか見なかったのですが
間違いなくあの人
何年も何年も会いたかったあの人
とっさに買い物と上の子を置いてお店を出て追いかけました
すぐだったはずなのに
私がもしかしたら固まっていたのか
外に姿はありませんでした
追いかけて何を言おうかも考えてはいなくて
逆にいなくてよかったのかもしれません
嬉しいやら悲しいやらで
戻って会計の時にお店の方にあの人はよく来ますか?と聞いてみると、近所でよく来ると言ってくれて
あ、じゃあ今会ったあの人は幻想じゃなかったんだと確認できました
それが最後でした
翌年の春
帰らぬ人となりました
新聞にのり、建設中のビルから転落死したと
そこからです
わけがわからなくなったのは
生きている意味を失い
しかもそんな悲しむ権利もない人間が
この行き場のない悲しみをどうすればいいのか
しかも
私のせいなのかもしれない
と思えてしまうような事があったから